公立高校の入学試験は、内申点(調査書)と学力検査とで決まります。内申点の評価対象となる学年については、都道府県によって大きく異なり、「中3のみ」としている場合(東京都、兵庫県)や「中2と中3」(神奈川県、奈良県)としている場合もありますが、京都府や大阪府(改正後)、滋賀県の場合は、「中1から中3」となっているので注意が必要です。
「中1から中3」となっている京都府等の場合には、小学校を卒業して、中学に入学して間もない5月~6月の最初の定期試験から内申点の評価対象としてカウントが開始されるという事実を、明確に認識しておかなければなりません。
そして、多くの中学校では、各学期の成績は、それまでの学期の成績との「平均」で算定するため、例えば、「4」の評定を取りたい場合には、いったん「3」の評定をとってしまうと、次の学期では「4」相当の成績では足りず、「5」相当の成績を取らないと、「平均で4」の評定が取れないことになります。
そのため、学年最初の定期試験は、相当に重視しなければなりません。
したがって、高い内申点を必要とする高校への進学を志望する場合には、中学入学当初からの内申点対策が必要不可欠になって来ると言えるでしょう。
「内申点対策」を考えると、一見、定期試験の範囲のみを勉強する方法がよいように思われます。
しかし、「内申点対策」の観点からも、「急がば回れ」で、下記の理由から「先取り学習法」の方が有益であるように思われます。
①先取り学習によって、その科目の「体系的理解」を進めておいた方が、定期試験での応用問題への対応の点で有利になってきます。
②「試験範囲」に左右されない学習ができます。多くの中学校では、試験範囲の公式発表が試験直前1週間位なので、この時点から学習を開始しても遅きに失してしまいます。(特に、定期試験は5科目から9科目まであるので、1科目だけの勉強に割ける時間はわずかになってしまうのです)。もちろん、試験範囲の問題演習は行うべきですが、「先取り学習」を終えてあれば、試験直前に試験範囲が増やされても、「復習」のレベルで済むため、安心して試験に臨めます。
③試験直前に、部活の試合があったり、体調を崩してしまっても、前もって「先取り学習」を終えておけば対処が容易です。
さらに、「先取り学習法」は、「内申点対策」の観点から有益であるだけでなく、「学力検査」(本番の入試)対策としても有効です。なぜなら、中学校の定期試験と異なり、「学力検査」には試験範囲がなく、中学校の過程の全範囲から出題されるので、体系的理解がなされていることが決定的に優位であるからです。
また、「先取り学習」の範囲を、中学校の課程のみならず、高校の一部にまで拡大しておけば、高校進学後や大学受験において圧倒的に優位なのは確実で、1~2ランク上位の大学を志望することが射程に入ってくるでしょう。